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2010/05/02

「現代建築家20人が語る いま、建築にできること」


こんばんは、アキレスです。

「現代建築家20人が語る いま、建築にできること」を読了しました。





現代建築家20人が語る いま、建築にできること

現代を代表する20人との対談集です。個人的に大好きなピーター・ズントー、セシル・バルモンドらがいるのを見た時点で気が付いた時には購入していました。まだ全員分は読んでいませんが、好きな建築家の部分だけつまみ食いするだけで充分刺激的な内容です。

読んでいて思ったのは、ほとんどの人が建築で人々の心に何かを訴えることができると信じているのだということ。かと言って何か訴えるメッセージがあるというわけでもなく、本当にさりげなく影響を与えているのです。たぶんこう書くと語弊があるでしょうが、端的に言えばそういうことだと思います。僕は建築はあくまで物質であり、物質として人々に影響を与えることはあっても、それ以上はないと思っていたところだったので、脳みそを殴られた気分です。

建物というのは日常的に使っているものだから、人間は居合わせたその空間に、無意識であろうとなかろうと、多かれ少なかれ影響を受けています。いい空間に居ればいい発想が生まれる。いいペンを握ればいい絵が描ける、みたいな文句を、この本の人たちは大真面目に話しているように思います。

そんな共通点を感じながらも、みんな言うことがバラバラで、中には具体的な建築家名を挙げながら話をしていたりもして、その建築家がどんなスタンスなのかがわかりやすくて面白かったです。

2010/04/20

「建築をめざして」



こんばんは、アキレスです。

ル・コルビュジエの「建築をめざして」を読了しました。


コルビュジエと言えば建築業界では知らないものはいない、
自転車界のアームストロングのような超有名人です。


そんなコルビュジエが書いたこの本。

「住宅は住む為の機械だ。」とコルビュジエは言い切ります。機械には目的があります。飛行機は飛ぶ為ですし、船は水の上を進む為です。

では住宅の目的とはなんでしょう?コルビュジエさんによれば「調和を可視化すること」が目的とのこと。大工さえいれば「建物」は建てられるけど、それは「建築」じゃありません。自分の心をワクワクさせる数学や美学に基づく「何か」があってこそ「建築」であり、芸術なのです。

コルビュジエの作品の原点がここにあるような感じで、流石に古くささを感じざるを得ない点はいくつもありましたが、19世紀の始めの本とは思えない内容に戸惑いながら読み終えました。

学問ってのは昔の発見が今の当たり前になることを繰り返していくようなものだと思っているので、この内容が新鮮に感じるということは僕はまだ当たり前の部分にすら触れていなかったのだな、と感じてちょっと凹みました。

コルビュジエの建築の原点ここにあり、という印象でした。